偽物カシミヤを見分ける４つのポイントとは？

当ブログは2003年の10月からアルパカニット製品の販売を手掛け、年間に延べ200以上のアルパカ製品を販売する、インペリアル・エンタープライズ株式会社によるものです。魅力的なアルパカニットのアレコレを発信しております。ショッピングサイトはこちらから

何度も起こる偽装カシミヤや低品質カシミヤの販売

これまで何度も、偽装カシミヤがニュースで取り上げられています。

• また偽装！　あなたのカシミヤ「本物確率」4分の1？（2007年）
• カシミヤ100％実は・・・横行する“偽物”見分けるには(2014年)
• 「カシミヤ」偽物に注意（2021年）

大手百貨店や有名セレクトショップでも偽装カシミヤを販売していたことがありました。
販売店だけではなく、そこに商品を卸していた企業も偽装カシミヤに気付かずに取引してしまったことが原因といわれています。

偽装カシミヤは、アパレルのプロでさえも出し抜く巧妙さがあります。

主な偽装の手口としては、以下の通りです。

• カシミヤ100％と謳っているが、カシミヤがまったく使われていないケース
• カシミヤ100％と謳っているが、他の素材も紛れているケース
• カシミヤと謳っているが、カシミヤに似せた素材が使われているケース

こちらの記事では、カシミヤを着たことがない人やカシミヤをよく知らない方でも、偽物を未然に防ぐためのポイントをご紹介します。
カシミヤ製品の購入を検討される方は、ぜひ最後までお読みください。

• カシミヤ繊維の品質（ランク）や良質な製品の見分け方

カシミヤの偽物が出回る原因

• 日本国内のカシミヤ製品は偽物がほとんど
• カシミヤは生産量の４倍も流通している（ほとんどが偽物）

アパレル業界で、こうした話がまことしやかにささやかれています。

過去に、東京都が「カシミヤ製のジャケット・コート」の商品テストを実施したところ、11事業者が表示と実際の混用率が著しく異なる商品を製造、販売していたこともありました。

インターネット通販で購入したカシミヤ製繊維製品｜東京くらしWEB

そもそも、なぜカシミヤ製品が偽物が出回るのでしょうか。
大きな理由は以下の３つです。

• 需要が大きい
• 生産量を増やせない
• 技術の向上によりカシミヤに似た素材が作れる

それぞれ説明します。

需要が大きい

世界中で富の増大が広がり、比較的裕福層の人口が増えています。

かつての日本がそうだったように、裕福になるとより質の高いもの、より高価なものを求めるようになります。
その結果、カシミヤ製品に対する需要が世界に広がっています。

カシミヤはウールに比べて暖かく、肌ざわりも抜群です。
一度着用した人は、その素材感に心を奪われます。

年を追うごとにカシミヤ需要が増えていき、偽物を作る人々も増えています。

生産量を増やせない

高まる需要に比べて、生産量は追い付いていません。
いまでは世界的な人気素材となったカシミヤですが、ウールと比べても圧倒的に生産量が少ないです。

素材	生産量
ウール	約115万トン
カシミヤ	約6,500トン

カシミヤの毛（繊維）を採るためにはカシミヤ山羊を育てなければなりませんが、羊のようにどこで飼ってもいいわけでなく、比較的温暖な地域で育ててしまうと低品質のカシミヤ素材しか採れません。

また、カシミヤ山羊が増えすぎると牧草地の草を食べ尽くして砂漠化する懸念があり、環境への配慮から飼育頭数を抑制している地域もあります。

上質な毛を持つカシミヤは、一部の厳しい環境でしか育たない稀少な素材であり、生産量が見込めないため偽物が出回りやすいのです。

技術の向上によりカシミヤに似た素材が作れる

ウールやアクリルなどをカシミヤのような独特の滑らかさと柔らかさに近づけた「カシミヤ風の素材」が人気です。

カシミヤを使っていないのに、専用の柔軟剤やカシミヤ由来のケラチンを配合するなどして、まるで本物のような肌ざわりを実現しています。

そうした技術のおかげで、カシミヤに似た風合いを低価格で楽しめると同時に、本物のカシミヤと謳って高いお金を払わせる詐欺的な商法も行われています。

偽装カシミヤは、専門の検査機関でなければ見分けることはまず不可能です。
それだけ製造技術が向上しているのです。

偽物のカシミヤを見分ける４つのポイント

では、プロでもない私たちは、偽物のカシミヤはどのように見分ければいいのでしょうか。

前述の通り、素材に触れて偽物を見分けることはプロでも難しく、検査機関を通すしかありません。
ですから、確実に偽装カシミヤを見破る方法はありません。

ただし、次に挙げるポイントを注意することで、偽物を購入するリスクを下げることができます。

1. 価格が安すぎるものに注意
2. 肌ざわりがよくないものに注意
3. 製品タグをよく確認する
4. 信頼できるお店を選ぶ

詳しくご説明しますので、購入時の参考にしてください。

価格が安すぎるものに注意

「大特価」「セール」「在庫一掃」など、お得感を出すためのそれらしい売り文句とともに、とても安くカシミヤが販売されているケースがあります。

値段がすごく安い場合は、偽物の可能性があります。
その証拠に、ほとんどの偽物は安売り品です。

ただし、定価で販売されていても偽装品の可能性は否めません。
反対に、赤字覚悟で本当に安く販売しているお店もありますので、過度な思い込みも危険です。

決して価格だけで偽物と決めつけないようにしましょう。

肌ざわりがよくないものに注意

カシミヤは柔らかく滑らかな肌触りが特徴です。
肌触りが悪く、チクチクすることがあれば偽物や偽装品の可能性が高いです。

手ざわりに違和感を覚えたら、注意してください。

製品タグをよく確認する

アパレル製品には、素材に関する情報が記載されたタグが付いています。
製品タグを確認することで、本物かどうかを判断することができます。

特に次の点に注意して製品タグをみてください。

• カシミヤが実際に使われているかどうか
• カシミヤがどのくらいの割合で使われているかどうか
• 「毛」と書いていた場合は何の毛かを確認する
• 通販の場合は、表示されている素材を確認する

信頼できるお店を選ぶ

信頼できるブランドやショップから購入することをおすすめします。
その最大の理由は、偽装品購入のリスクを下げるだけでなく、万が一にも偽装品を販売していた場合、返金など保証を行ってくれる可能性が高いからです。

注意しないといけないのは、有名店を装ってウェブページのデザインが本物とほとんど同じ「詐欺サイト」です。

誤ってそちらのサイトで購入した場合、偽装カシミヤの詐欺にあうだけではなく、住所やクレジットカード情報なども取得されてしまう最悪なケースも考えられます。

ネットで大手百貨店のマークがついたサイトがあり、カシミヤのセーターが2枚で8,000円だった。安いと思い、すぐに注文した。
代金引換えで受け取って開封してみたら、カシミヤのセーターではなく写真と全く違う商品だった。サイトに返品を希望するとメールで申し出たら、商品はそのままで2,000円を返金すると一方的な内容のメールが届いた。サイトは大手百貨店とは関係のない偽サイトだった。

詐欺・偽サイトにご用心！（R5.2.28配信）｜流山市役所（千葉県）

「偽サイト」については消費者庁も注意喚起をしています。
詐欺サイトで購入しないように注意しましょう。

「偽サイト」にご注意ください!｜消費者庁

まとめ

カシミヤ製品は、偽物が多く出回っているかもしれません。

「カシミヤ風の素材」や「カシミヤ100％ではない」と知ったうえで購入しているなら何も問題ありません。

しかし、カシミヤ100％と信じたのに偽装カシミヤや混ぜ物だった場合、非常にショックです。
そんな後悔をしないためにも、また、被害を最小限にとどめるためにも、ご紹介したポイントを購入前に確認してください。

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